ドラム初心者講座 応用編 2 フレーズ Phrase Logic

前書き

ここでは、自分が実際に曲の中で使ったフレーズからどうやって叩くのかを教えていこうと思う。
音源は、ダウンロードコーナーに用意してある、EmergencyLame Duckの曲の2つ。

「なんで、おまえのプレーを?」と思うだろうが、大好きなDream TheaterPanteraの譜面を使いたい所ではあるけど、著作権とか大人の事情にて、自粛いたしますです。

Lame Duck の曲から

先にこちらのほうから、部分部分を抜いて解説していこう。なぜ、こちらが先かっていうと、To-Yaの曲には変拍子が入っているから…ということで、イントロから歌が入る直前まで。

イントロ

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あまりにも画像がデカくなったので、別窓で開くようにしました。
ということで、ノートパソコンや15インチのモニターの方には非常に見づらいかもしれませんが、2つの窓を交互に見てやってくださいませ。

それでは、解説のほうに移りましょうか…

なんか、譜面にすると、やたらと複雑ですな…基本は16ビート、それで所々、足と腕の163連が入ってくると、簡単に言うとそれまでなんだけど、自分でも気に入っているフレーズなのよ。
特に最後の1小節はね…。
ここは、何気なく叩いたらカッコ良かったので、そのままライブでも使ったっていうフレーズで、音楽は特にそうだけど創っていく中でひらめいたものって、一番カッコ良かったりするもんなんですな。

んで、最初の1小節目。
これは、ハイハットのカウントだけだね。
4カウントだけど、8分で速く叩いているので、前半はお休みって言う風に表記してある。
これは別にちゃんとお休みをしなきゃいけないんじゃなくて、4/4拍子に合わせてあるだけだから、気にせず。
あと、ちゃんと書いてないけど、ここはオープンぎみに、ちょいうるさく演奏しよう。

2小節目は、一気に他のパートが入ってくるね。
2小節目以降は基本的にリズムの刻みは、8分のフロアでやっている。
だから、右腕はほぼフロアタムのほうを向いている。
あとは、バスドラムとスネアでギターリフに合わせたリズムにしてあるんだ。
ここが、16ビートになっている部分ですな。
右腕はずーっと8ビートだけど、その『ウラ』にバスドラムやスネアを入れてる。

演奏方法は、右腕でフロア(最初の8分だけクラッシュシンバル)を8分で刻んでいる。
これは簡単ですな、右腕はとにかくそれだけ、他に考えることなし
今度は左腕、2小節目は3回入っているね。
基本の2拍目・4拍目の他に、3拍目の『ウラ』に一つ紛れ込んでます。
これも、下に書いてあるマス目を見れば簡単だけど、フロアを叩く右腕とスネアを叩く左腕を交互に動かすだけ。
スネアやタムの連打を、他の太鼓同士で連打してるって言えば分かりやすいのかな? 余計こんがらがった?

最後に足だね。
これも素直に入っている部分が、1拍目と4拍目くらい…この拍では、8分で収まってるから良いけど、2拍目と3拍目はいやーな所に入ってますな…1拍分の16分音符4つ目のところに入れるんだ。
3つ休んで叩いて、3つ休んで叩いて…」そんな感じなんだけど、3つ目って必ずフロアを叩いているから、それと交互に今度は腕と足のコンビネーションで考えて叩くんだ。
いきなり例題で難しいか?

さぁ、「難しいよ!!」っていうツッコミはスルーして進めます。
3小節目…とうとう3連のバスドラムが入ってきますな。
1拍目・2拍目は2小節目と同じだから良いとして、3拍目だね。
実は両腕のやっていることは、2小節目と全く同じなんだけど、問題はバスドラムですな。
はっきり言ってこのタイミングに3連を入れるのはすごく難しいんだ。
この1拍分の最初の8分分は、16分音符2個で演奏されているけど、次の8分分では、1633個で演奏されている。
ということは、1拍分で5個の音が出ることになるんだけど、5連符(1拍分で同じ長さの音符を5つ出す)を叩いてるような気分になってくるんですな。
これがもう、違和感バリバリでしてね。
これは、腕のほうを意識しないと変な演奏になるから、足のほうは力まずに3連を叩くようにすれば、いけるようになるハズ…。

あと、4拍目ですな、見慣れない音符が入ってるでしょ?
なんかちっちゃい8分音符が見えると思うけど、これがドラムで言うフラム打ちっていう奏法の一つなんだ。
基本的に両手(あるいは両足)で同じ太鼓を"ほぼ"同じタイミングで叩くこと、ここで"ほぼ"っていうのが重要になってくるんだ。
"ほぼ"っていうくらいだから、完全に同時じゃそう言わないよね? そう、意図的にほんの少しだけずらして演奏するっていう意味なんだ。
ホントは譜面で正確にあらわせるんだろうけど、ものすごく細かい単位が出てくるだろうから、それを簡単に代用した記号と思っていいですな。

この4拍目は特に、フラム打ちした後の161つ分の休みを大切に叩いてもらいたいところ。
この「タッタカ」っていうのは、ロックじゃ頻繁に使われる1拍分のフレーズなんだけど、これがカッコ良く叩けるドラマーって、テクニック出さなくても惚れますね!! それくらい大切だと思って叩いてくれるといい。

4小節目は2小節目と全く同じなので、説明は省略して、5小節目だね。
ここは、タムをまわしてまたスネアに戻るっていう、フレーズですな。
すごく単純だけど、抑揚をつけてやるとカッコいいよ!!
2拍目でまたフラム打ちが入ってるから、ここで十分にタメて、「スネア・12"タム・14"タム・スネア」と一気に2個ずつ叩くような感じ。
2個ずつだから、腕は右左右左って、交互に動かすだけだから簡単でしょ? さぁ、次です。

678小節目は、234小節目と同じなので、これも省略。
最後の9小節目の説明に入ります。

ここでは、ちょっとだけ特殊な叩き方になっているんですが。
普通だと、1拍の頭は利き腕から叩かれるのが普通だが、このフレーズは、途中から、拍の頭が逆の左腕になってしまうんですな。
最初の83つ分までは普通に叩いておいて、次の163連のところから、順番に音符一つずつ交互の腕で叩いてるんだ。
利き腕が最初になるから、右左右左ってね。
で、そうすると、最初の3連部分を叩いた時点で、右が最後になるから、3拍目からは拍の頭は左腕って言うことになっちゃう。
それでも交互に叩きつづけて最後の8分で調整してるような感じだね。
実際次の小節は、1拍目の頭にシンバルが入るので、右腕を空けておかないと非常に辛いよね?
タムあるいはスネアから16分音符連続で、右腕を使うことになっちゃうから…

合理的なフレーズでもあるこのフレーズなわけですが、叩くときは拍の頭を意識するよりも、16分音符(最初の3連は除く)をしっかりと交互に叩くことが重要ですな。
ここはあんまり理屈で説明つくものじゃないんだけど…耳で聴いてみて、どんなニュアンスか確認していただきたい。
あ、あと、普通はタムって音の高い(サイズの小さい)タムから順に叩くんだけど、ここでは、逆になってるよね?
バスドラムの上にセットしてある、12"14"のタムなんだけど、叩く人にとって、右にセットされているのが、大きいサイズになるので、右左と叩くときに他の太鼓を叩こうと思ったら、大きいほう→小さい方と叩くのが楽だよね?
それで横着してるんだね。
っていうか、確かに横着なんだけど、きっちりとチューニングされているタムを逆に叩くと、また雰囲気が変わってて好きなんですな。

これで、一通りこの9小節分の説明は出来たと思うんだけど、いかがでしょうか?
次は、ソロバックでのツーバスプレーを教えていこうと思う。
これも1小節分だけど難しいですぞ。

歌メロバック

歌メロの部分は16ビートで、バスドラムの位置を工夫して跳ねた感じ、タメた感じを出すようにしたんだけど、いかがでしょうか?
大体はこの2小節の繰り返しになってる。
2小節のフレーズでも強烈な個性が出ていれば、飽きさせないと思うんで、頑張って自分のスタイルを築いていただきたい。

LameDuckでの譜例:歌メロバック

また、3連使ってるよ…もう癖だね。
しょうがないよ…でも、後悔してるよ。
今…譜面に直すのが大変だってことに気付き…
譜面の3拍目は16分と163連が入ってるため、ここだけ12マスに区切ってます。

それじゃ、最初の1小節目の解説からだね。
1拍目、ここはバスドラムに気を使うところ。
4つに区切ったマスの1番目・4番目にバスドラムが入るが、この間の2つがとても重要なんですな。
ここがきっちりお休みになっていないと、つまらない演奏になってしまうんですわ…。
なお、ここから始まるハイハットは、思い切りラウドに叩いてくださいませ、当然、バスドラムもスネアも全開で。

2拍目は、まぁなんてこと無い、スネアとバスドラムで8分の組み合わせ。
説明するまでも無いですな、そして、3拍目は1拍目と同じ。

4拍目は、1拍目・3拍目のバスドラムと同じことを、スネアでやっているんだ。
ということは、ここでも気をつけなきゃいけないのは、間のお休み部分でことになりますな。
タメられるだけタメて演奏するとカッコいいけど、くれぐれもモタらないようにお願いいたします。

それじゃ2小節目、最初の2拍分まとめていきましょうか。
ここもやっぱり、ハイハットはラウドに4分で叩く。
スネアも定番の2拍目に入るだけ。
定番から外れているのは、バスドラムの位置だけってことになりますな。

1回目は、1拍目『ウラ』8分のお休み後に叩かれる。
『ウラ』って出てくるけど、どこが『ウラ』なのか…8分で言えば「2468」の4拍子でカウントする部分に重ならないところ、16分で言うと「246810121416」と、8分音符でカウントする部分に重ならないところが『ウラ』だ。
偶数は基本的に『ウラ』と覚えておいてもらいたい。
2拍目は、16分でいう『ウラ』で入ってきますな。

2回目は、2拍目『ウラ』16分のお休み後に叩かれる。
直前にあるお休みのタイミングは、スネアが入る2拍目の頭だから、スネア→直後にバスドラムっていう感じになっているんだ。
ここで、気を配りたいのは、その、スネアとバスドラムのまたもや"ま"だねぇ。
ここは、よりすばやくそして、直後の16分音符2つ分のお休みにも気を使うといい。

そして、3拍目ですな。
もう、バスドラムしか入ってないような感じの1拍だ。
最初だけ8分その他は、163連である。
ここもやはり、最初の8分から3連の最初の1つまでの"ま"が大切。
思いっきりタメてあげましょう。

最後の4拍目は、2拍目と同じタイミングでスネアとバスドラムが入るが、今度はバスドラムにクラッシュシンバルを合わせているので、バスドラムはより強調して叩くようにする。

まとめとして、このように休符がはさまれて、跳ねた感じ・タメた感じを出さなくてはいけないフレーズは、お休みのところ(マス目で言えば、色がついていないところ)を特に意識して叩くことが重要であると言えますな。

ソロバック

これは、ソロバックで使っているフレーズ。
基本的に連打してるツーバスだけど、最後の半拍がまたもや、163連なのよ…
しかも、小節またぎの演奏。
こうやって見てみると俺って結構やってるんだね…譜面にしてみて気が付いたよ…

LameDuckでの譜例:ソロバック

マス目は手抜きいたしました…。
3拍目までは最小音符が16分なので、1拍あたり4で区切って、4拍目は16分音符(=4)と163連(=6)の最小公倍数で、12マスにいたしております。

ホントに3拍目までは極ありふれた16分でのツーバスプレーになっているね。
3拍目にスネアが1箇所『ウラ』に入ってるけど、もう大丈夫だよね?
で、問題の4拍目から次の小節の頭まで…ホントに3連好きだね…
これははっきり言って、日本人で演奏してるのを聞いたことがないんだけど、聴いたことあるっていう人は教えてください。
それほど、みんながやらない変態なプレーなので、真似できなくても全然大丈夫。
自分も最初はちゃんと出来ているのかも分からないでライブで演奏してたんですが、音源として残っているのを聴いて、「できてるじゃん!!」とね…自分でもびっくりしましたです。

正確に叩こうと思ったら、1拍の中でさらに12カウントまで数えなきゃ出来ない。
そんなに速く数えられないよね?
ってことで、ここは感覚的に覚えてください。
逆転の発想で、16分音符3つの間に音を4つ出す。
って言うのもあるね。
16分の3つのうち、タムを叩くタイミングが合うのは、最初と最後13の部分。その間に2つ音を出せばいい、って思ったほうが楽かも…。
説明できるのはここまでだねぇ。だって、自分でも出来ているのか分からないプレーなんだから…

To-YaのEmergencyから

このページここまでで、何文字打ち込んだのでしょうか?
ということで、これをラストにいたしたいと思いますです。

またもやデカい(いや、かなりデカい)譜面なので、別窓で開きます。サムネイルをクリックしてくださいませ。

To-Yaの譜例:Emergencyのイントロ

ということで、解説します。
まずは、1小節目。カウントのみ!! 以上!!

まぁ、おふざけはここまでで…。
2小節目から9小節目だね。
これは、ほとんどの小節で同じパターンを使っているんですな。
色々タムが入っているけど、1拍目のバスドラムと2拍目のウラのバスドラムとシンバル、そして4拍目のハイハットとスネア。
この3つはほぼ全ての小節で同じ位置で演奏されていたりします。

特に気をつけるところは、シンバルの入るところと、4拍目のスネアとハイハット。
ここは、きっちりアクセントをつけるようにしていた。
アクセントの位置はポリリズムの位置になるけど、他のパートの演奏がその流れになっている。
『タ・ン・ン・タ・ン・ン・タ・ン』って言う風に、『タ』の部分だね。ここにアクセント!!

そして、多用された3連ですな。
これはアフォか? ってくらいに入れまくってる。
スネアだけのフレーズはまだ簡単だろうが、フロア・タム・バスドラムの組み合わせは厄介だと思う。
まぁ、これもゆっくりはじめて練習すればそんなに難しいことはない。ホントに均等に叩くだけ!!
右手でフロア、左手でタム、そしてバスドラム。
これを均等な速さでつなげて演奏するだけ。
まずは、ゆっくりね!! 頑張ってちょうだい。

さぁ、やってまいりました。変拍子のお時間です…。
といっても今回のは3拍子が入るだけだから、マイナス1してあげるだけですな…って、そんなに簡単なものじゃないけど…

演奏自体は、さっきまで多用していた、3連のフレーズの組み合わせで、実質7拍分のソロパート。
前の小節をほぼ1拍分使ってフレーズが始まるので、そこから数えて演奏できる人は8拍で演奏してみてください。
自分は出来ません…。

でも、気持ち的には最初の(っていうか、正確には9小節目の最後の半拍)3連から、フレーズを開始してるんだけどね。
自分の中では、9小節目の4拍目のスネアとハイハット。
この組み合わせをアクセント入れて叩いたら、すかさずフレーズ開始!! みたいな感じかな?
3連もスネアが4つ続いてるから、小説またぎのフレーズだけど、こういう風に感じ取っていれば、そんなに苦にならないんじゃないかと思う次第であります。

最後に、あとは、このフレーズを左右どちらの腕で叩くか…それは自分で考えてみてください。
宿題です。
手抜きじゃなくって、どうやれば、次のプレーがスムーズに演奏できるかを考えれば、自分と同じプレーの仕方になると思うので、ぜひ独学で頑張ってくださいませ。

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