マッド・メン Mad Men

マッドメン Part1

その日は、地元の駅で待ち合わせして競輪に行った。

場所は、松戸競輪場。

メンバーは以前一緒に働いていた、仕事場のギャンブラー面子...

朝一で行って、がんばろう!! と意気込んで行った。

その日の松戸競輪は、実際には目の前で走らない場外売り場となっていたが、先着何名かは忘れたが、三角くじを引かせてもらえることになっていた。

3人に順番でくじを渡される。

その場で、開封して見るのだが...

(つづく)

マッドメン Part1 ここまで

マッドメン Part2

真ん中でくじを引いた彼は「当りだって」という。

自分たちが「凄いじゃん」と言っていると、くじを配ってるお姉さんが「今日はG-Shockですよ〜」だって、いきなり入場料以上の収入です...

「今日は、競輪でやられても良いや」と彼、確かに負けても時計の分があるのだから...

そして、レースが始まり、皆して不調だった。

彼は、朝言っていた通りになりつつある。

でも、不調になったのには理由があった...

(つづく)

マッドメン Part2 ここまで

マッドメン Part3

競輪が当らない...みんなして不調だったのは、モニターの近くで叫んでいる予想屋のせいだった。

人のせいにしてはいけないのだが、もう、おっかしくておっかしくて、まともな予想が出来なくなっていた...

その予想屋は「さぁ、次のレース。これは、じ・ば・りの買い目です」と何回も叫んでいる。

イントネーションがお伝えできないのが、残念だ...

「"じばり"って言ってるよなぁ?」3人して聞き耳を立てるが、何回聞いても「じばり」であった...

(つづく)

マッドメン Part3 ここまで

マッドメン Part4

「じ、じばり〜?」全員で考えたのは、やっぱり「すばり、じゃないか?」ということで一致した。

が、それでも「すばりの買い目です」っていうのは、どう考えても文章的におかしい。

自分たちなりに解釈すると、「さぁ、次のレースは勝負です!! 勝負の買い目を教えるぞ〜!!」という意味じゃないかと...

その予想がまた見当違いで、当らない当らない...

レースのあいだで、毎回「じばり・じばり」と叫んでいるので、もう、耳についてしまって笑ってばっかり。

それが、調子を崩された理由...

でも、それだけではなかった...

(つづく)

マッドメン Part4 ここまで

マッドメン Part5

その「じばりおやじ」の隣に陣取っている予想屋。

これも、強烈だった...

イントネーションが面白い「じばりおやじ」に対して、そのおやじは予想がむちゃくちゃだったのだ。

その予想は「このレース、落車があるかないか?」とか「落車があれば...」とか言っている。

落車の予想までする、おバカな予想屋は始めて見ました...

落車=競輪のレース中に、ちゃりんこもろともこけてしまうこと。

一日に1回あるかないか...

(つづく)

マッドメン Part5 ここまで

マッドメン Part6

「じばりおやじ」はいるし「落車おやじ」はいるし、まともな環境じゃないなか、みんなして外しまくる。

ただ、最後に逆転させた男がいた。それは、自分...

最終レース。本命らしい本命も無く細切れの展開で、紛れがありそうだったので、前残りの予想で前をいく選手から買うと、そのまま決まってくれました。

結局、勝ったのは自分だけで、G-Shockを手にした彼は何レースか当てつつも、最終的にはマイナスに...

(つづく)

マッドメン Part6 ここまで

マッドメン Part7

最終レースも終わり、自分ひとりだけ勝ったので、調子ブっこいて帰宅につく...

松戸競輪からは、乗り換え1回だけで楽だ。

ただ、この帰りの電車が大変なことになった。

乗り換えてから数駅行ったところ、地元駅の三駅手前で停車した電車は、その後1時間以上走り出すことは無かった。

それも、これも、ある男のために...

(つづく)

マッドメン Part7 ここまで

マッドメン Part8

停車している駅から目的の地元駅との間で、何かが起こったようだった。

自殺でもあったのか? と思ったが、この停車時間は尋常ではない...だが、車掌のアナウンスによって、ようやくこの停車の意味が知らされた。

それは、目的の駅の1キロ手前くらいで、電車から飛び降りた人間がいるというのだ...

三人顔を見合わせて「ハーッ?」...電車に飛び込み...なら聞いたことがあるけど、電車から飛び降り!!...そんなことがあるか? と...

ホントにこの三人で行動していると、ありえないようなことによく遭遇するのだった...

(つづく)

マッドメン Part8 ここまで

マッドメン Part9

1時間以上も待たされたのは、その飛び降りた人間を発見するためであった。

その駅の間は5キロくらいあるので、それだけの時間がかかったのだろう。

ようやく走り出した電車は、その男の飛び降りた場所で徐行運転をしている。

自分たちは「どこだ?」という感じで辺りを見回したが、パトカーやら救急車やらが回転灯を回しているだけだった。

後日分かったことだが、その男は19歳。

理由は良く分からないが、怪我は肋骨の骨折くらいで済んだみたい。

ホントに色々あった、トホホな1日でした...

(完)

マッドメン Part9 ここまで

マッドメン P.S.

最後まで読んだ人へのご褒美?

マッド・メンのオチは違うところにある...

松戸メンに引っ掛けてあるのだ!!って、くだらないですね...

(本当に終わり)

マッドメン P.S. ここまで